春の短歌

梅の花撮りてうつさむ人々を
人相似たりと花は思へり

夜走る明かり流れる過ぎてゆく
ラジオを刻むウィンカーの音

春風に香るかすかに顔上げる
青空高き木蓮の花

百万の乙女の衣もかばかりか
目をも潰さむ塩船の花

名も知らぬ鳥が三羽もうち並び
毛虫の子供を捕まえてゐる

実にならず散りし言の葉芽を吹きて
咲かす花こそ詩歌なりけれ

募金箱千円入れて惜しくなる
己に嫌気のさす朝日かな

春の短歌

春の短歌

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-07

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