破裂の空

 とりあえず、相談してみることを、繰り返す。どこかで聞いたことあるようなフレーズで、わたしは叫んでいる。空裂く劣色は、濃淡だ。ただたのしかった頃のオーヴォエが、わたしを切り裂く宝物になる。ひかりの無限反射のなかで。きみの視線、手の届かない空想よりも深々と。そらよりも蒼く、うみよりも色濃く、ぼくたちは間違える。いびつさを放てずに。なにが雷鳴に似ていくのかを、眼で追い切れるはずもなく。みずは溢れかえる。やがて私に還ることばの群れは、流星だ。

破裂の空

破裂の空

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-07

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