逃げ足の詩

揺れる、体、走る、木立、別れ際は、泣いちゃうかもなぁ、なんて思っていたけれど、案外なんともないことに、なんだか虚しい気持ちになる。
世間は死の恐怖に怯えてるらしいけど、それは幸福なことなんだよって、白い樫の木に彫って伝えたい。
降りしきる雪にも死が感染しているなら、それはとっても素敵なことなんじゃないかと、あの子と一緒に笑い合ったこと、そんな思いも含めて全部、空港に運ばれていく。
やっぱり寂しいだなんて、今更誰にも言えないよな。

逃げ足の詩

逃げ足の詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-01

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