変声期

猫は夏と冬に毛が生え変わり
それを繰り返し快適に過ごす
僕はこれから声を変えていき
社会に信用されてしまうの
窮屈なのは制服だけにして
大切な通過儀礼に向かって
新しい声で恰好つけるなら
イニシエーションと叫べ
一度しか押せないボタンで
命中するまで弾丸を投げた
あのメロディが歌いにくくても
自分の高さに合わせて初めて
僕等は歌を手に入れると思う
声に表情があるほど伝わる
豊かな言葉を使ってみると
人の輪をはみ出さないように
自然でいることは難しいな

変声期

変声期

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-02-29

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