半日分のシナリオ
もう遅いのかも知れない
こんな時間にベッドに潜り
捻れた布団で足がもつれた
人魚みたいに毛先を分けてる
昼はまだ遠くなどなかったから
見つめるものは空じゃなくても良い
心と同じ天気が続けば
何故だか少しお腹が減って来て
チョコを舐めるとすぐに溶けて
指を洗う水が欲しくなった
控えめな甘さに隠れながら
誰かの面影を探している
白い窓を開ける夏休みは
小さな花瓶を動かせばきっと
残った半日を並べたくなる
ビー玉のように隙間を埋めて
その熱で何かを燃やそうとした
季節の始まりを感じるため
明るい瞳へ交換しにゆく
海で磨いたガラスは曇らない
半日分のシナリオ