(無題 20200222)
「またね、また明日ね」
また明日ね。電話の声の夜はいつもと同じだった。どうかしたのか。ううん、また明日ね。限られて尽きた夜だった。一年過ぎた。頭にこびりついた明日。写真の眼の感情が毎日変わる。夜。また明日ね。電話の向こうで涙を流したのかもしれなかった。その想像に一年を必要とした。夜。紫煙の悼みが絶えてわたしもまた泣いた。生き急ぐ明日を続けた。
(無題 20200222)
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