(無題 20200222)

(無題 20200222)



「またね、また明日ね」


また明日ね。電話の声の夜はいつもと同じだった。どうかしたのか。ううん、また明日ね。限られて尽きた夜だった。一年過ぎた。頭にこびりついた明日。写真の眼の感情が毎日変わる。夜。また明日ね。電話の向こうで涙を流したのかもしれなかった。その想像に一年を必要とした。夜。紫煙の悼みが絶えてわたしもまた泣いた。生き急ぐ明日を続けた。

(無題 20200222)

作品集1 http://slib.net/a/1845/
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

(無題 20200222)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-02-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted