飛んでしまおうか!【Ⅰ】
死んでしまおうかな。
そう思っていた。
いや、死のうとしていた。
屋上までの階段を
一歩ずつ、一歩ずつ
怖いからだろうか
足が震える。
屋上のドアを開けた。
幸い誰もいない。
いるはずないよね。
今は夜の9時。
屋上の柵を飛び越えた。
もっと柵が高かったら
無理だったなぁ。
屋上から見える景色は
いつもより綺麗に見えた。
一歩足を踏み出した
飛び降りようとしたそのとき・・・
いや、
私は飛び降りたんだ。
でも、でも
私は生きていた。
浮いていた。
「え?なにこれ!!」
浮くとかありえないじゃないか!
夢?
いや、夢なのね!!これは!
浮きながら頬をつねった。
「痛いっ!」
私は浮きながらあたふたしていると
イケメンの男の人が立っていた。
いや、正確には浮いていたのだ。
くっきりとした顔立ち。
すらっと長く、細すぎない足。
ある程度のがたいがある体。
好きになっちゃうかも。
ふぁ~私が見とれていると
「なに見とれてんの?」
前言撤回嫌な奴だああああああ
「俺には惚れんなよ。」
惚れねーよ!!
てか、よく見たら
尻尾はえてない!?
黒色の!!
「俺は、悪魔アザゼルだ。
お前の魂を奪いに来たのだが
お前おもしろいから、悪魔にしてやるよ。」
アザゼルはにやっと笑った。
悪魔にしてやるってどういうこと!!
は?何様だ!
なんで悪魔!!
確かに、死にたかったけどでも、悪魔って。
私の顔にアザゼルの顔が近づいてつぶやいた。
「まずは俺と口づけして契約だな」
「はああああああああああああ」
口を手で押さえた。
「なんだ、ファーストキスとか気にしてんのか?」
「はぁ??
違いますけれども!!!!!!」
アザゼルはクククと笑うと
「早く、誓いの口づけしなくちゃいけないんだけど」
「ま、待って。
もうちょっと待ってよ。」
うーんとアザゼルは考えたあと
「よし、一緒に住んでやろう」
「・・・意味わからない」
「だから、お前を惚れさせたら
俺と口づけできるだろ?」
「ええええええええええええええええええ」
なに、言ってんのこいつ!
「決定、はいお前の家に行くぞ。
んじゃ!!」
はああああああああ
こうして、私とイケメンで嫌な奴な悪魔との
同居生活が始まった。
飛んでしまおうか!【Ⅰ】
初めまして!
どうでしたか?
これからも続くので
どうぞよろしくお願いします!