僕の真実と妄想

漠然、と。
ただ僕の時間は止まっている。
足は地面に縫い付けられて離れない。
僕はそこを離れない。  
そう。
僕はそこを離れる気はないし、
離れようとも思わない。


ただ、漠然と。誰もいない時間が。
流れて。僕は置いてきぼり。
置いてきぼりにされたことさえ、
分からないままに。
ただ、僕は、その砂漠の中に立つ。
僕の足元からは煙が立ち上り、
やがて僕の姿は、消える。


消える。消える。消える、
空間が、僕を葬り去って、
やがて残った空間には、既に無が。
匂いのしない風がその場を通り過ぎ、
音もない。


音も、音も、音も、
自分も、自分も、自分も、
僕も、僕も、僕も、
どこかにいなくなって、
何もない空間に。
「さよなら。」を告げる。


僕は何もなくなって。
気が楽になる。
自由ができる。
それが真実か妄想かなんて、
僕には分からない。

僕の真実と妄想

僕の真実と妄想

心のままを書きました。漠然とした無為な時間が「僕」を食い潰します。 読んで頂けると、幸いです。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-01

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