春眠

あと少しだけもう少しだけ
殻の中に隠れていたいんだ
誰かが靴を履かせようとしても
陽だまりのポケットが落ちるまで
私の顔に落書きをするから
光は夢をくじ引きで当てる
たゆたう胸を囲む柔らかい
リボンでできた谷間に吹く風が
Tシャツの形に抜けてゆくよ
瞼の奥で見つけた横顔が
旅路と一緒に曲がっていくのを
幸せだと感じているのに
その理由を置き忘れた体を
探そうとした迷子の眠りは
どうして名札をつけられないの

春眠

春眠

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-02-17

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