足首に線を引いて帰る
波の重さは鎖だと思う
その音を繋いだままで歩く
大切な約束のような錆に
起こされてやっと体に染みた
波は目覚まし時計に似ている
少しずつ流れを止めてしまい
幸せな時の笑顔だけが
水平線に溶け込んで光る
背中を丸めながら触れた
小さく揺れる足首の影は
アンクレットだと思っていたのに
壊れた部品は私のものだ
いつの間にか足を外れて
夢を忘れた道を選んでいく
歩きやすいから不安になるけれど
ここは海ですか

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-02-16

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