過剰量

マチミサキ

先ほど
近くのコンビニで爆ギレしている
おじさんが。

私は
一部始終を見ていて
少し思う所があったので
ご報告。

事の次第は
コンビニでたまにあるクジです。

700円以上で1枚ひける

みたいな。

おじさんは
クジ狙いなのか
何を買ったのかまでは知りませんが
コンビニにしては
割りと高額を消費したらしく

嬉々として
クジを10枚くらいですかね、

次々と引いていました。

その中に当たりが結構あったらしく
ニコニコ顔だったのですが

やはり
夕方という時間帯もあり
後ろには
五、六人ほどの列が。

私もその中のひとり。

流石に
気を遣ったのか
おじさんは

『当たりが出たけど今度貰うよ!
並んでいる方々にも申し訳ないからね!』

そう店員に伝え
外へ出ていきました。

私も友人と一緒でしたので
なかなか
話が分かるオッサンだね

的な会話をしていたところ

列最後の客である私が
会計を済ませたとこで
オッサンは不死鳥の如く舞い戻り

『先ほどの者だけど今なら良いかな♪』

と、店員さんに当たりクジを差し出しました。

店員『自分で持ってきて下さい。』

の一言に
キレてしまったのです。

混雑が一段落するまで
翼をたたみ
嘴を閉じ店外で待っていたのでしょう。

凄い剣幕で怒鳴り出し

『なんだっ!その態度はっ!
もうこんなん要らんっ!!』

不死鳥は燃え上がる
烈火の勢いで
店員さんの目の前で当たりクジを
すべて引き裂いていました。

店員さんは無言。

不死鳥おじさんは自動扉が開く前から
腹いせなのかバーンと叩き
バサバサと翼を拡げ出て行くまで
私と友人はその迫力に驚き
固まっていました。

私は
小さな水を一本しか買っていませんが

友人は
やはり
クジを引いていて
会計時では何も言っていませんでしたが
実はプリンが当たっていたようで

『貴女にあげる…』

と、厄介払いのように
当たりクジを手渡されました。

こちらは滅多に来ないコンビニ店ですし

私は
その当たりクジに記されたプリンを店内から
探しだし

引き裂かれたクジを掃除している
店員さんの作業が終わるのを見届け

おずおずと
手渡しました。

すると
店員さんは
何も聞いてはいないのに
私に
こう呟いたのです。

『一応、ここに書いてあるのですけどね…』

私も気づきませんでしたが
よくよく見ると
クジには
『該当商品を店内よりお持ち下さい』
の注意書きが。

きっと
せめてこの一件を見ていた
誰かに解って貰いたかったのでしょう。


そうなのですよ。

貰えるたけでも
充分得なのですが

ほら
今まで
店員さんが持ってきてくれたり
してくれませんでしたか?

私も覚えがありますけど。

それ
よく考えてみると
本当に
やりすぎなのですよね。

それでなくても
人手不足のこの時代です。

おそらく
こんな事は
ほんの一例で

これから先、いえもう今も
日本はどんどん変わっていく

それはまず間違いありません。

お客様は神様の時代は終わりを告げ
今まで様々(さまさま)
扱われていた消費者側の意識改革も
余儀なくされる

お金があるから!
こっちは客だぞ!

では済まされない。

こういった行為に慣れきった世代には
つらい時代になって行きますよ。

きっとね。

そして
その行為に慣れきった世代とは
何も高い年齢層にだけは
限定されない。

変えやすいか頑ななだけかの違い。

今のところ

【あの頃は良かった】

と言われる時代は常に過去にしか訪れない。

当たり前と言われでしょうけど。

それを踏まえ
考えてみて欲しいのは

すべては今を生き
作り上げていく
私達のモラル次第だということ。

とはいうものの
社会の良い悪いとは
結局
大勢にとってのものではなく

個人として捉えている場合がほとんど。

己は恵まれずとも
それでも
社会全体を見渡し

【良い時代になった!】

といえる人が現れたときに
その人を救う事の出来るシステムや倫理が
完成したとき

はじめて
その時代は

【素晴らしい時代になった!】

と胸を張って言える気がしてなりません。

過剰量

それでも
余計なお世話かもしれませんが
一応
慣れるまでは
クジの箱とか
それ以外でも目立つところに

その旨を記しておいたほうが
トラブルは避けやすいかと。

お互いのためにも。

クジが当たった際にはご注意です、
不死鳥にかかわらず
今の時代では誰もがやりかねない。

とは
思いませんか?

過剰量

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
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