夜路

夜路


死骸は

いつも道端に転がっている

わたしたちには見えないだけ



常夜灯の明滅

じっとり湿ったコンクリートに

反射する その

周縁の暗がりに



過去/未来に死んだ星がまたたき

足の下でかろやかな音がする

 わたしはそれを枯葉だと思いたいのだ

側溝に堆積した塵

 とは何であるか

呼吸をするたびになにかが

どこかで

 いまも



ふり返ると宇宙は広漠と広がっていた

葉擦れの音

水滴

ここにない雨



わたしたちには見えないだけ

わたしたちは見えない

ふりをして

夜路

朗読していただいたもの special thanks:血なま さん
https://nana-music.com/sounds/05417941

夜路

死骸は いつも道端に転がっている

  • 自由詩
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-02-13

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