夜路
死骸は
いつも道端に転がっている
わたしたちには見えないだけ
常夜灯の明滅
じっとり湿ったコンクリートに
反射する その
周縁の暗がりに
過去/未来に死んだ星がまたたき
足の下でかろやかな音がする
わたしはそれを枯葉だと思いたいのだ
側溝に堆積した塵
とは何であるか
呼吸をするたびになにかが
どこかで
いまも
ふり返ると宇宙は広漠と広がっていた
葉擦れの音
水滴
ここにない雨
わたしたちには見えないだけ
わたしたちは見えない
ふりをして
夜路
朗読していただいたもの special thanks:血なま さん
https://nana-music.com/sounds/05417941