Love is Despair
明け方 いつもわたしを抱きしめるそれは
きらきらひかる 宝石のような眼
それ以外は まるで死体
だけれど彼女は 呼吸をしている
華奢なからだで 呼吸をしている
わたしは わたしの眼のまえで
たとえ彼女が死んだとしても
おどろくことはないだろう
いつのまにかいつもそばにいて
いつしか彼女に愛されていた
わたしは愛には気付かなかった
いや
見て見ぬふりを つらぬいていた
そうでもしないと
自殺は他殺だと証明してしまうから
手は 長くは握れなかった
赫灼とかがやくランプのもとで
あなたと読書がしたかった
凍えるようにつめたいあなたの右手を
見失うのはつらかったから
Love is Despair