蝋燭堂【掛け合い台本】
【配役】
妖・・・片時も眠らず、蝋燭を管理している。
★青年・・・愛する人の命を救うため、必死で蝋燭堂までたどり着く。
ここは、誰も来ぬ蝋燭堂。
おや、お前さん、その匂いは…人間だね
★こ、ここはどこだっ!アンタ、何者?
どうやって辿り着いたかは知らんが
ここは…人が来てはいけないところだ
★ここは、まさか命を管理してるという
妖の世界かっ?
ほぅ…やけに詳しいな
どこで知ったんだ?
★そんなことどうでもいい!
なぁ頼む、俺の願いを叶えてもらえないか?
なに?
願いを叶えて欲しいだと?
★頼むよ!時間がないんだ!
フンッ…聞いてやるいわれはないが
退屈しのぎに言うてみるがいい
★あいつが…あいつの命が消えちまう、
頼むからっあいつの命を奪わないでくれ!
愛する者の命を消すな とな
ふむ…よいか、この蝋燭堂は
毎日消えていく数が決まっておる
増えていく数も然り
それは変えられぬ掟だ
★掟…。だったら!俺の蝋燭となら、変えられるだろ?
ほぅ…お前さんの蝋燭とすげ替えるとな
★それであいつの命が助かるなら!頼む!
よかろう…妖との契約には対価がいるものだ
お前さん、何を差し出す?
★対価…なにを、出せばいい?
ふむ…儂は生まれてこの方、眠らず管理をしておる故、夢というものを見たことがない
どうだ?残りどれだけあるかは知らんが
お前さんが事切れるまでの夢を儂に差し出せ
★俺の夢を?…あぁ、わかった、夢でもなんでもやる!だからっ!!
よし、契約は成立した
★やった…やったぞ!!
ではふたつの蝋燭をすげ替える
【おんまくばさらだかんのん
じだらやそわか】
★ううぅっ…(真言が始まり出したら被せる)
目が覚めたら、ここでの記憶は消える
二度と会うことはない
さぁ、夢の中へお帰り
蝋燭堂【掛け合い台本】