錠剤

静深

掴む 色とりどりなたくさんの錠剤たちを

青色 白色 ピンク色 心は灰色
それらはとてもカラフルで まるで手のひらの中にひろがる混沌の海を見ているかのようだ
それらの効果は今はもうわからない まざり合ったたくさんの錠剤たち
それらを一気に放り込み 飲み込む ふわふわとする頭と心 ここは瞬く間にわたしのエルドラド

幸せってこんなにも身近なところにあるんだね 人間ってこんなにも簡単に救われてしまうんだね
偽物の安い幸福に身を委ねて わたしを救い わたしを受け入れてくれた世界の全てを今度はわたしが受け入れて そうして 愛するということ
今度はわたしがこの世界を救うんだ 救いたいんだ
つめたいものも 絶望も それら全てが愛おしく あたたかく思えるような今
わたしは全てを肯定したいんだ わたしは全てを救済したいんだ たとえ薬が抜けて素面になって そこから世界のつめたい真理を知り そこに触れたとしても


拝啓 世界

わたしはあなたを愛しています

錠剤

錠剤

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-02-10

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