女性へのご褒美~男声からの誘惑~リターンズ 0号店

ヤリクリー

注意事項
①米印の箇所は読まないでください。
②カッコ内は読んでください。
③これは、男性4人と女性1人の合計5人の声劇です。
④作者の執事喫茶の知識の無さは大目に見てください。

女性へのご褒美~男声からの誘惑~リターンズ 0号店

〔登場人物〕
男性:尚登、義之、雅樹、修史(※Nは、ナレーションを指す)
女性:真琴、


修史(N):これは、スリーピングボイス2号館が出来るまでのお話です。例の大戦争より数年が経った、ある日の1号館での勤務後のやり取りです。ただし、当時は“1号館”という名称は無く、“当館(とうかん)”や“本館(ほんかん)”等と呼んでいました。


雅樹:皆さん、本日もお疲れ様でした。

真琴:連日大盛況ですね。我々も大変です。


尚登:…。

(そろそろ、この館〈やかた〉だけではキャパシティーが足りないようだな。どこかにもう1邸〈てい〉建ててもいいんじゃねぇのかなぁ?人数的にも、回すのに限界が見えてきているし、わざわざ遠方から来てもらっているんだから、それくらいはしねぇとな。)

修史:?なおとしゃん??

尚登:ん?どうした??修史。

修史:…いえ、何かなおとしゃんの顔色がよろしくないようで。

雅樹:どうしましたか?尚登さん。

尚登:素直に俺が思っていることを話していいか?ただし“怒らないでくれ。”あくまで、俺のいち意見だからな。

雅樹:はい、どうぞ。

尚登:なら、言わせてもらうぞ。

“スリーピングボイス、どっかにもう1邸建ててもいいんじゃねぇのか?”

修史:!

真琴:?!

雅樹:え?

尚登:だから、スリーピングボイスの新店を出すんだよ。
…この場合は、“新館”になるのか。

どちらにせよ、そろそろ拡大してもいいんじゃねぇのかなぁ?

雅樹:と申しますと?

尚登:確かに、ここは売り上げもいいし評価も高い。わざわざ遠方から泊りがけで来てくださっているお嬢様だっている。

だが、彼女たちのことを思うと帰りでさらに負担をかけさせて申し訳ない気持ちでいるんだ。癒したばかりなのにすぐに疲弊(ひへい)させるのもアレだなってさ。

真琴:確かに、お嬢様方のデータを見ると遠方からの方も3割ほどいらっしゃいますね。そして、お嬢様方の御家(おうち)の方にも建ててほしいとの声も多いですね。家から遠すぎて行くのを断念している方の声も多々…。

尚登:それに、BLばかりも飽きてきた。新人を入れるならまだしも、やる側もそろそろネタ切れだ。いつまで続くかわからん。

修史:ボクなんて、なおとしゃんと絡み過ぎてどれだけ妊娠させられたことか…。陣痛も、もうこれ以上は耐えられません。

コリゴリです。

雅樹:なるほど。一部のスタッフからも、似た意見が飛んでいましたね。
“別のエリアで活動をしたい”と。

先に話をするならば、新館を出すための費用は確保してあります。それに、用途を全く決めておらず、貯めただけの“予備費”もございます。

尚登:んで、拡大はするのか?しないのか?

どっちなんだ??

雅樹:とりあえずは、“しない”の方向です。

仮に出すにしても、新館のテーマを決めておかないといけなくて。そのアイデアが無いのです。

真琴:えぇ…。

まさか、お嬢様方を見捨てるなんて。

尚登:そのアイデアだが、俺に名案がある。

雅樹:では、どうぞ。

尚登:“中世時代の体験”なんてのはどうだ?勿論、城ではなく館(やかた)でもいい。

具体的には、ここには無い“噴水”や“テラス”といったものを備えた庭を用意するんだ。ティーパーティーが楽しめる感じと言えばいいか。アニメやゲームでよく出てくるあのシーンを現実世界で実現させるんだ。

修史:へぇ~。

雅樹:他には?

尚登:社交場、なんてものを設けてもいいかもな。バー的な何かさ。それと“鹿鳴館(ろくめいかん)”のような舞踏場を設けてもいいかもな。

俺を含めた一部のスタッフが、隠れて社交ダンスの練習をしているんだ。プロになろうってわけじゃない。だが、執事と姫様のダンスなんてものもアリだよなって魂胆(こんたん)さ。

真琴:!


(※ここで、何かに気付いた真琴。)


真琴:…あ!思い出した!!

雅樹:真琴さん?

真琴:雅樹さん。ちょっと前に、我々がお嬢様のリクエストに応えて“コスプレ”なるものをしたの覚えていますか?

雅樹:パイやケーキをお嬢様の顔面に向けて投げつけたやつですか?

真琴:そうですそうです!

その時に、この館はコスプレや写真の撮影スタジオにも利用できるのではないかって意見を出したのですよ。ですから、その時の意見も新館に導入すれば、お姫様たちが楽しめるだけではなく、コスプレイヤー様にとっても良き会場となるのではないかと思ったのです。

雅樹:それはそれでよいと思いますが、プランはお考えでしょうか?

“きっちりとしたプランやサービスの提供を確保できない限り、新館を出さないでいますよ?”

修史:え?簡単じゃない?

(館長、ここ数年はずっと事務業務だからそれどころじゃないんだ。たまにはお嬢様と実際に触れあって生の声を聞かないといけないんだ。)

雅樹:修史さん?(※イラッ)

“今の良い方は、少し良くはないですね。”(#^ω^)

修史:館長、失礼しました。

プランですが、当館のプランを新館でも利用します。それに付け加えるように、“コスプレイヤー撮影パック”や“ティーパーティープラン”なるものを提供するのです。名称に関しては、あくまで仮称(かしょう)です。

先に、“コスプレイヤー撮影パック”から。これは、もともと屋敷内に存在する、普段使い可能なスタジオで撮影を楽しんでもらおうということです。忙しい場合は、そのスタジオでもお嬢様方を癒すための部屋として利用できるのです。そこで撮影をしてもらいつつ、我々の提供する食事メニューも楽しんでいただこうというわけです。

真琴:このメニューについては、私から考えがあります。

“こう見えて、私も元コスプレイヤーですから♪”

雅樹:では、お願いします。

尚登:雅樹。少しだけ脱線させるぞ。

“お前は事務仕事ばかりになっているから、2週か10日(とおか)に1回のペースでお嬢様を癒してみたらどうだ?
もしその仕事をしたいなら、義之にでも頼めばいいさ。ヤツも、お前のことを裏で結構心配していたからな。本当だぞ?”

雅樹:…はい。尚登さんへの返答は後にして、続きをどうぞ。

真琴:では、続きを。

撮影の合間の食事として、頻繁に多いのは“サンドウィッチ”や“クッキー”、“ビスケット”をはじめとした、すぐに口にできるものですね。いつもはスタジオにわざわざお菓子を持ってきている方もいるのですが、飲食物の持ち込みが可能なところや不可能なところがあるので大変なのです。
ですので、新館では“飲食物の持ち込み可。ただしコスプレイヤー撮影パック注文者のみ”と条件を付けます。食事つきプラン、食事なし飲み放題プラン、飲食提供なしプランの3つでも作ればよいでしょう。1番目なら、普段我々が提供しているサンドウィッチやスープを出せばよいのです。2番目は飲料のみ注文可能で飲み放題。3番目は、飲み物すら出さず、ただ撮影をするだけ。“飲食物の持ち込み可”にしていますから、3番目のプランを設けても何も問題はないでしょう。
後は、この“撮影プラン”のみ事前予約制にして、遅くとも4日前までには予約を入れるようにすれば良きかと。

雅樹:なるほど。

確かに、あの時は結構楽しかったですもんね。私も、我慢できずに飛び入り参加しましたし。

尚登:これで、新館を出す要素は確保できただろ?値段調整はまた後からでも問題はないだろう。

俺からは、“ティーパーティーセット”の話だ。天気が良ければ、外のテラスで噴水や像を見ながら紅茶や珈琲(コーヒー)を楽しんでもらえればいいさ。生憎の悪天候なら、館内の部屋で楽しんでもらう。どちらにせよ、アニメのワンシーンが現実化されるわけだ。

提供物としては、一口サイズのケーキやクッキー、ビスケット、マカロン等をケーキスタンドに乗せて持ってくればいいだろう。丁度、蓮の奴も“スイーツ作りに挑戦したい”なんて口にしてたな。作れなくはないそうだが、ディッシュ系がメインだからそっちの方の腕が地味に鈍って(なまって)いるらしい。蓮の成長にも繋がれば、ここで提供できるメニューもさらに増えて良くなるだろう。

雅樹:それはいいですね!

後は、舞踏会ですか。

尚登:雅樹。お前も少しは頭をは働かせたらどうだ?最近、様子がおかしいぞ。

真琴:尚登さん、仕方ありませんよ。

つい数分前に例のアレの支払いを完全に済ませたんですから。若干ピリピリしているのは大目に見てください。館長だって大変なんですから。

尚登:…あ、あぁ。あれは仕方ないもんな…。

雅樹:…いえ、私のせいです。ここ数日はスタッフにきちんと声掛けや挨拶が出来ていなかった報い(むくい)です。当然の報いなのです。

修史さんにも。

“厳しく当たってしまい、申し訳ありませんでした。”

修史:館長…。

大丈夫です。

雅樹:本当に、申し訳ありませ、ん、でし、た…。(泣)

修史:館長!

雅樹:…。
(※静かに泣いています。)

真琴:館長、大丈夫ですよ。誰も怒っていませんし、納得できましたから。

ね?尚登さん。

尚登:あぁ、その通りだ。


義之:急に館長の泣き声が聞こえたと思ったら、苦痛に耐えられなかったのですね。


(※義之がスタッフの控室に。)


義之:館長、もう清算は済んだのですから一息ついてください。

尚登:んぁ?義之?

何でここにいるんだ?

義之:少々、忘れ物を取りに来ましてね。

…あ、あったあった。今日から数日間の休みをいただいていますが、コートや羽織り(はおり)の持ち帰りをすっかり忘れてました。

尚登:なるほどな。

んで、雅樹。何かアイデアはあるか。

雅樹:…し、新館は、だ、出します。

ぶ、舞踏、会は、こちらでプ、ランを…。

修史:何かアイデアがあるみたいですね。

義之:副館長の私からしても、館長の考えていること・脳内での作業には驚かされます。


(※それから数分後、雅樹が泣きやむ。落ち着いたようだ。)

雅樹:舞踏会に関しては、オプションとして何かのプランにプラスということでどうでしょうか?予約推奨ですが、日にちによっては、当日参加も可能ということで。

舞踏会単体でも面白いと思いますが、“更なる思い出”として利用してほしいなと。

義之:そうですね。オプションでの使い方をメインにするのがよろしいかと。

修史:あ!そうだ!

新館で、“舞踏会イベント”しましょうよ!

尚登:Beautiful!(ビューティフォー!)

義之:修史さん、やりますね。

修史:アニメに出てきそうな感じで、立食パーティーのように食事を提供しつつ、ダンスも楽しんでもらおうと。予約制ではありますが。

真琴:最高じゃないですか!

雅樹:年間スケジュールで、年に4回。春夏秋冬1回ずつ設けてみてはいかがでしょうか?

義之:それがよいでしょう。普段ここを訪れない方でも楽しめる内容を盛り込めば。

雅樹:それと、新館の店長は“尚登さん”で決まりですね。


尚登:あぁ、そうだな。

…って、はぁ?!俺が?!

修史:やりましたね!なおとしゃん!!

義之:副館長の私からしても、異論無し。ここまで館のことを思っていただけるのであれば、貴方に任せても問題はありません。


尚登:でしたら、副館長もこの際に指名してもよろしいでしょうか。

雅樹:どうぞどうぞ。

尚登:“真琴”さんを指名します。

真琴:え?!あ、わ、私ッ?!

義之:良い選択ですね。

雅樹:私も。

よろしければ、配属させたい人を選んでください。

義之:条件として、館長の雅樹さんと副館長の私は選択しないでください。

尚登:館長と副館長には申し訳ありませんが、当館こと“1号館”から配属させるのは“修史”、“蓮”、そして“義直”で。1号館ではまたスタッフ集めに苦労するかもしれませんが、どうか新たなる執事を育てていってほしいです。“スリーピングボイスの基礎”を叩き込ませてほしい、それが“2号館”の館長からの願いです。

義之:かしこまりました。

雅樹:現在不在の拓海さんも含め、我々で執事の教育に尽力します。

“尚登館長”も、そちらでの執事教育頼みましたよ。

尚登:はい!

義之:“真琴副館長”

真琴:はい。

義之:“館長の支援、頼みましたよ。”

真琴:ありがとうございます。頑張ります!


修史(N):こうして、スリーピングボイス2号館が誕生したわけです。いつものBLから、撮影スタジオと大幅な方向転換をした2号館。この新館の噂(うわさ)は瞬く間に(またたくまに)拡散され、とあるSNSでは“執事喫茶新館”というワードがトレンドになりました。

はてさて、どのような癒しを提供してくれるのか。皆さま、どうぞご期待ください。

女性へのご褒美~男声からの誘惑~リターンズ 0号店

訂正情報

・2020年2月11日(火) 本文の一部を修正。

女性へのご褒美~男声からの誘惑~リターンズ 0号店

執事喫茶第2シーズンの新作が登場!今回は、2号館が出来るまでのお話です。前作の舞台だった1号館での、とあるやりとりを機に話が展開されていきます。葛藤もあるようです。このドラマ、見逃すべからず。

  • 小説
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更新日
登録日 2020-02-09

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