知らないもの②

ーシャンッシャンッー
鈴の音が響く。

「きーつねさん。あーそびましょ。」

「くそ、タイミング悪りぃなあ。」
乱暴な口調で一言吐き捨てた。

「我が主の首を取りたければ、まずは私たちの首を取りなさい。」
頭の良さそうな男の子が言う。

「ちょうど?ラストの御影がそろったしなあー。」

「「何してあーそぶ?」」

「!!?」
身体がずしりと重くなった。
これは一体なに?

「そうだなあ、まずは手始めに鬼ごっこなんてどうだい?人数集めて。」

「妃雪様、宜しいですか?」

「はい、私は許します。夏生、咲紀が暴走しないようにしておいてくださいね。」
目の前で繰り広げられる光景は、なんだ。


「イッツ ショーターイム。」

「咲紀!来たわよ。」

「おぉ、咲紅!よかったー、来てくれねぇかと思った!」

「妃雪様の首取られちゃこっちはたまんないのよ。都路の家として。」
そういい、女の人は日本刀を取り出した。

「お兄様!」

「夏目。よかった。」

「妃雪様、お久しぶりでございます。」

「夏目ちゃん、久しぶり。お元気そうね。力を貸してくれるかしら?」

「もちろんですわ!巫家のものとして。」
総勢20人くらいいるだろうか。
私たちの周りに立ち、一人の人を護ろうとしている。

「「我が主の名、御子神妃雪。」」

「それでは、ゲームスタートね。先に全員捕まったら終わりよ。」
何が何だかわからない。
そう思った瞬間意識が途切れた。


目を覚ますと家のベットで寝ていた。
「夢?」

「夢じゃねぇよ。」

「ちょ!は!え!ちょ!」
えっと、確か咲紀くんだっけ?

「ここまで運んで来たのは俺だ。俺の名前は宇治宮咲紀。
さっき言ってた都路ってのは旧姓みてぇなもんだよ。」

「??」

「はぁー、お前本当に何も聞かされてないのか。今代の御影は本当にひどいな。」
何のこと?

「これはこれは、御無沙汰しております、あなたは都路家の方で?」
いさいつはいってきたのかわからないお父さんが言う。
え、何?

「御影は基本的に言わずに時が来たら全てを話す風習なのです。」

「ふぅん」
ーカラカラー

「あら、咲紀、彩奈ちゃんが目覚めたら帰るんじゃなかったの?」

「!?これは、天狐様。」

「あら、初めまして。御顔を上げてください。
今代で会うのは初めてですわよね。私、今代御子神家、九尾の狐の御子神妃雪と申します。
普段は久遠寺雪妃と名乗っております。」

知らないもの②

知らないもの②

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-31

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted