告別の唄
告別の唄
権力よ、忘れないがいい
至る時に
至る所に
異人は潜んでいる
ある風を受けると、強靭な魂が受胎するのだ
権力がある限り、反作用の異風は吹く
時おりは反逆の烈風だ
状況の迫間のその風を浴びて、異人は蘇生するのだ
かつて、異議は少数で破れはしたが、決して死滅はしない
沈黙もしない
状況を変える為に闘い続けるのみだ
反逆の大道にお前達の城門は建てられない
権力よ、心するがいい
忍従する人民にもやがて異風は届く
彼らもそれとは知らず胎動する
季節に似せて、彼らは自然に変化するのだ
その時、あの日私に殺意を抱いた権力よ、思い起こすがいい
私は人民の先陣で旗を翻すだろう
草也
労働運動に従事していたが、03年に病を得て思索の日々。原発爆発で言葉を失うが15年から執筆。1949年生まれ。福島県在住。
筆者はLINEのオープンチャットに『東北震災文学館』を開いている。
2011年3月11日に激震と大津波に襲われ、翌日、福島原発が爆発した。
様々なものを失い、言葉も失ったが、今日、昇華されて産み出された文学作品が市井に埋もれているのではないかと、思い至った。拙著を公にして、その場に募り、語り合うことで、何かの一助になるのかもしれないと思うのである。
被災地に在住し、あるいは関わり、又は深い関心がある全国の方々の参加を願いたい。
告別の唄