多久さんの事件簿【神様が悪を助ける】49

Shino Nishikawa

多久さんの事件簿【神様が悪を助ける】49

僕は悪を助けない。

多久さんの事件簿【神様が悪を助ける】49
イライラするのは原因があるからかもしれないが、その原因はいつでもあなたの人生にずっとあるのに、笑う時もくるのはなぜだろう?
美味しい料理を見た時、汗をかいた時、すっきりしているのはなぜだろう?
映画を観た時、素敵な気分になるのはなぜだろう?
いくら原因があるにせよ、1日の半分以上をイライラした気持ちで過ごしているのなら、薬を飲む必要がある。漢方薬とか、栄養剤である。
病院に行く必要があるかもしれないし、ドラッグストアの薬で間に合うかもしれない。

犯罪者に精神安定の薬を飲ませると、犯罪をしなくなるらしい。
僕が神に聞いたんです。
ですから‥、犯罪者は異常なんですけど、薬を飲めば治まるんですよ。
僕も、毎日イライラして怒鳴っていたので、漢方薬を飲み始めて、だいぶ楽になったんです。イライラする原因もあるのですが、漢方薬を飲まなければ、原因が解決しても、ヒステリーは治らなかったでしょう。
金メダリストがオリンピックが終わった後でもヒステリーを起こすのと同じです。
イライラが止まらないようなら、漢方薬などを飲んでください。多分大丈夫です。
スポーツ選手は癇癪を起こしやすい‥。

スポーツ選手ではないある男が、親友を毒で殺害しました。
男は親友とたくさんの話をしました。かけがえのない時間を過ごし、狂ってしまった青年時代を取り戻したのも、親友との会話です。
お互い社会人となり、会えない日々が続きました。
大親友というのは、そういうものです。20代というのは、孤独で伸びるのです。

しばらく会っていないうちに、親友は結婚していました。奥さんは妊娠中です。
男はショックで立ち尽くしました。自分にはまだ、相手もいなかったのです。
それでも、親友は、男が青年時代に失敗した事と同じ事を奥さんとしていたので、心が鎖でぐるぐる巻きになっていて、辛かったのでした。

男は、親友の家でご飯を御馳走になりました。
あまりまずくはなかったのですが、すごく美味しいというわけでもなく、子供もあまり憎めない感じです。
でも、男は親友に憎悪をつのらせてしまいました。
車に毒をぬったのです。
親友は亡くなってしまいました。

男は伊勢神宮に参拝しました。
『親友を殺害しました。今日ここで告白します。どうか赦してください。』

『許されたのなら、どうなりたい?』
『美しい妻と結婚して、最愛の娘を2人ください。』
『娘は無理。でも、息子ならあげられる。』
『どうして?許してくれるって言ったじゃないですか?』
『言った。そして、お前はスポーツ選手にはなれない。』

「なんでだよ!俺がスポーツ選手になれないなんて、酷いじゃないか!」

『結婚との両立は無理だからだ。』


男は、そんなに神様に祈らなかった。
般若心経を唱えた事もない。

その男というのは、僕の敵なんです。僕は毎日、般若心経を唱えているので、般若心経を唱えた事もない男には勝てると思います。

「あの人、お釈迦様とか言ってる。きもい。」
僕はそう言われた時、必ず手を合わせて、謝罪しています。
いくらキリスト教徒でも、イスラム教徒でも、鼻水をたらして大声でお釈迦様を呼ぶ時がくるのです。
その話は本当です。

明日はその男との試合があるので、観世音菩薩様の指示で僕が買った御守りを持って行きます。


この話を書くなと僕は言われました。
でも、僕は逆をついたんです。
あらゆる神様は、悪の味方をすると知っていますから。
きっと、あなたの指示なのでしょう?
ありとあらゆる神様よ。
僕は無罪だ。
だから、悪を助けない。

多久さんの事件簿【神様が悪を助ける】49

多久さんの事件簿【神様が悪を助ける】49

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-01-30

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