銃眼320

銃眼320

    
    


      

「涙を知らせないで下さい」

パリの諍い女は瞼に銃眼を残す。精一杯の涙を流しながら。オッドアイの男は無言で向けた背に三行の詩。

「汚れたのは  /  指紋のついた  /  smooch」

早晩、男はポンヌフの橋から身を投げるだろう。映画のチケットは永久に見つからない。最も重要な二人の機密は沈みゆくから。


   

銃眼320

作品集1 http://slib.net/a/1845/
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

銃眼320

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-28

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