欠落
【登場人物 紹介】
・葛木 優杜(12)
・葛木 晋 (15)
・父
・母
これは私の家族の本当の話です。登場人物の名前などはフィクションであり、実在しておりません。
··――喧騒――··
僕の父さんと母さんは一度離婚した。その時僕はまだ小学生にもなっていない幼稚園生の年長ぐらいだったと思う、お兄ちゃんは小学2年生だったろうか。まだ幼い僕達は自分達の親がそんな気まずい関係になっているとは解らなかった。
でもたまに夜中にトイレに起きたりするとふたりが喧嘩しているのを見かけることがあった。
小さい頃の僕にとって親と云うのは優しさに満ち溢れた暖かいもの、そのような自分なりの知識しか持っていなかった。中学生になった今となると家族はそのような考えの面影すらない。
父と母はぴりぴりとした雰囲気を纏っていて、もう信頼すらしたくもない。僕はそんな二人の事が大嫌いであって大好きである。
こんなことなら死んでしまった方が楽なんじゃないかと何度も思った。誰か僕が気づかないうちに殺してくれやしないかな。
でも、そんなことを思うたびに涙があふれでてくる。自分がこの世からいなくなったところで誰も悲しんではくれないんだろう、親だって僕の事を邪魔だと思っているはずだ。なぜ僕を生んだんだろう。ひどく悲しい。
昔おばあちゃんが聞かせてくれた、父と母の出会い。昔の写真も見た。
ふたりは仲良く笑っていた。
いつからこんなことになってしまったんだろう。いつまでが本当の平和だったんだろう。もしかしたらずっと偽りの平和を過ごしていたのだろうか。
最近聞こえてしまったことがある、夜中までゲームをやっていた日の事。母が朝に家に帰ってくることは多い。仕事柄そうなってしまうのだ。
それでなかなか眠れなく目をつむっていると、喧嘩の内容が聞こえてきてしまった、どうやら浮気のはなしらしい。最悪だ、早く寝なくちゃ。聞きたくない。
もう嫌だ、どうすればいいんだろう。
また離婚するらしい。
欠落