火の粉

      ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤきら
   ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤめく
 ㅤㅤㅤㅤ火
      ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤの
    粉

これは子供と心中をした、
馬鹿な男の荼毘の炎です。

   ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤきら
       ㅤㅤめく
  ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ火
      ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤの
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ粉

火の粉が星空に舞い上がって、
どれが星だか火の粉だか、
誰にも見分けがつかないようです。
「あいつもきっと天国で、
あの子と幸せになってるだろうね」

——子供もなく、
ㅤ親もなく、
ㅤ星空もなく、
ㅤ火の粉もなく、
ㅤ天国もなく、
ㅤこの世もなく、
ㅤ全ては一であるのです——

星空は、火の粉を厭うでもなく歓迎もせず、
ただただ歌を歌っています。
何万年と続いている
星の、人を悲しむ歌です。

火の粉

火の粉

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-25

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