物書きの反実仮想

物書きは空想を糧に生きている
その空想は現実ではない
現実でないから空想をする

もし時間があったとしたら
自由に生きれただろうに
そういう物語をつくるのは
現実の時間は短いからだ

もしお金があったとしたら
人生を楽しめただろうに
そういう物語をつくるのは
現実にお金を持たないからだ

もし力があったとしたら
英雄になれただろうに
そういう物語をつくるのは
現実の僕は無力だからだ

せめて物語を読むとき
物語を描くとき
それを現実として受け止められたとしたら
なんとよかっただろうに

(作:チト)

物書きの反実仮想

物書きの反実仮想

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-24

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