物書きの反実仮想
物書きは空想を糧に生きている
その空想は現実ではない
現実でないから空想をする
もし時間があったとしたら
自由に生きれただろうに
そういう物語をつくるのは
現実の時間は短いからだ
もしお金があったとしたら
人生を楽しめただろうに
そういう物語をつくるのは
現実にお金を持たないからだ
もし力があったとしたら
英雄になれただろうに
そういう物語をつくるのは
現実の僕は無力だからだ
せめて物語を読むとき
物語を描くとき
それを現実として受け止められたとしたら
なんとよかっただろうに
(作:チト)
物書きの反実仮想