日本語を壊す要因のひとつになっているかも知れないと感じたことについて
最近、ネットに限らず、TV番組の番組表などを見ても、言葉の使い方が不正確になっていると感じることが多い。
不正確と言ってもいろいろあるが、ここで取り上げたいのはいわゆる日本語の乱れ的なものでは無く、言葉の意味自体が正確に把握されないで使われているように感じられるケースが増えたように思われること。
たとえば、昨年公開され、大きな話題を呼んだ映画『ジョーカー』についての一般の方の短文感想などをネットで見ていると、作品を見たという人の感想の中に<ホラー>と呼んでいるものがいくつもあった。
一般的に<ホラー>と言えば恐怖小説的な作品のことであって、その作品の中にショッキングなシーンや見た人が怖いと感じるシーンが入っているだけではホラーとは呼ばない(というか、ホラー作品では無い)。
また、漫画等の作品についてスポコンという言葉が使われている場合でも、スポコンでいうところの根性という言葉や概念からはかけ離れた作品に使われているように感じられるケースもあった。
で、ひとつ思うのは、こういった現象が増えていることに関しては、最近のマーケティングのやり方の傾向のようなものが影響しているのかも知れない。
最近、何かを宣伝したり注目を集めたりしようとするする動きに関連して個人的に感じているのは、何かメジャーな言葉などにかこつけて(/こじつけて)宣伝の効率を上げたり、注目をより集めやすくしたりしようとしているような動きがあちこちで見られるように思われる、ということで。
この場合、やっている当人たちにとっては、本当にそのメジャーな言葉に該当しているかどうかはどうでもいいことなので、厳密には当てはまらないようなことに関しても、平気でその言葉を使ってしまう。
そして、そういった人たちがターゲットにしているのは大抵の場合、元の言葉についてあまりくわしくは知っていない人たちなので、そういったいいかげんな文章や売り方、宣伝の仕方などに触れた人たちの中では、その言葉はそういう使い方をするのが当然の言葉なのだということになってしまう。
かなり懸念される現象であるように、個人的には思われる。
<了>
日本語を壊す要因のひとつになっているかも知れないと感じたことについて