ウィンター・フューネラル

渡逢 遥

きょうも冷蔵庫みたいな直方体のなか 想いは燻って 手脚は悴んで 「あたしオリオン座しか知らないんだ」瞼の裏にはたくさんのあなたが栖んでいる みんな みんな冬の記憶 視神経が死ぬ前に 片眼を抉りだしてあなたのと交換したら ふたりの砂漠は棺で潤う? あなたに手がないことを知っていながら いつまでも手をのばしてしまうあたしがいる ごめんね 両眼をうしなってしまえば 世界が滲むことなんてなかったのかな 支柱のない植木鉢にチョコレートを蒔いた 肥沃な純情永久凍土 体温を知らない暗がりのなかで ファットブルームが泣いている このたたかいが終ったら さいしょのあなたに逢えるかな いつかあたしとあなただけの プラネタリウムをつくってあげる

ウィンター・フューネラル

ウィンター・フューネラル

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-01-14

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