オリオン

冬の大三角形が落ちて来たら
抱きしめたかった
オリオンの座標がゼロになるまで
膝を重ねた時間は戻らずに
降り積もる雪だけが謎だらけで
冷めていく体温に僕を置いて
旅立つ君を許すのだろう
あぁどうしてこんなに息が白いの
醜い感情で汚れた心は
ブラックホールの改札を騙し
冬の大三角形を君の背中に
作ろうとしてやめたのに
骨の形さえ粉々に変えて
顔に塗ろうとする化粧は
綺麗に決まっているじゃないか
さよならは足早に過ぎる光で
君の遺伝子を貰えなくなって
オリオンの座標はもう動かない

オリオン

オリオン

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-14

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted