深海

冷たい円柱を抱えている
これ以上は何を避けても
足を付く場所へ辿り着けずに
浮いたり沈んだりしながら
表面を撫でるシャボン玉が
割れてもまだ残る煌きを
誰かに見せるために傷付いた
寂しさは美しくなるから忘れないで
深さは溜め息になるから届けないで
僕の言葉に階段を作り
ゴムホースが伸びるように
巻いてもまだ残る長さで
心臓を貫くために生まれた
優しさは消えなくなるけど怒らないで
強さは独り言になるけど離れないで
僕の願いに休日を作る 

深海

深海

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-13

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