おばあさんとシロ

一ノ世 麻衣

ボクはシロ
まだ小さい時に、山に捨てられてた所をおばあさんに拾ってもらった。



おばあさんは、名前がないボクに見たまんまの、シロ
という名前をくれた。



おばあさんは優しくって、暖かくって、いつも美味しいご飯をくれる。


おばあさんはおじいさんと2人で住んでいる。



おじいさんはいつも怖い顔をしていて、おばあちゃんに、意地悪している。



今日も、味が薄いだの、お茶を入れろだの、偉そうに言っている



ボクの大好きなおばあちゃんに意地悪しないで!



とボクはおじいちゃんにいつも言ってるんだけど、通じないみたい


でもね、おばあちゃんったら いつも意地悪されているのに、何だか嬉しそうにニコニコしているんだ。


おばあちゃんとボクは、いつも一緒!



おばあちゃんのお花植え、ボクもお手伝いしているよ!



お洗濯も、泡がいっぱいで楽しい!



育てた野菜を、川で洗うんだ!



大好きな焼き芋も、おばあちゃんと食べるともっと美味しいんだ!



雪っていうものが降るとおばあちゃんはボクにセーターを編んでくれる


楽しいな、嬉しいな。


おばぁさん、大好き。








何度目かの初雪の朝



おばあさんが起きてこない。



おじいさんもなんだか慌てて色んなところに電話している



少ししたら大きなサイレンを鳴らしながら



赤い光が近づいてきた


やめて!

おばあさんが、びっくりしちゃう!

大きな音を出さないで!



一生懸命吠えてみたけど、ボクにはめもくれない


そしてボクのおばあさんをベットに乗せて連れて行ってしまった。

なんで?



どうして?



おばあさんを連れて行かないで。



悲しかった。



おばあさんの布団の上で丸くなって、おばぁさんを待った。



さっきまでおばあさんが寝ていたのに、布団が冷たかった。






その日の晩

おじいさんが小さい箱を持って帰ってきた。


おばあさんは?


一緒じゃないの??



クンクンと鼻を鳴らしたボクをおじいさんは撫でてくれた。



初めてだった。



でももっとビックリしたのは


おじいさんが泣いていた事だった。



近所の子供みたいに、わんわん泣いている。


どうしたの?



どっか痛いの?



転んじゃったの?


ボクもなんだか悲しくなった。


何故か



もう2度と


おばあさんに会えない気がした。






その日の夜、おじいさんの隣で眠ると、夢の中でおばあさんが

とても心配そうな顔をして、ボクとおじいさんを見ていた。



夢の中でおばあさんはこう言った。



「ごめんね、何も言わないで行ってしまって。



2人のとも、ちゃんと、ご飯を食べて仲良くしていてね。


私はこっちで待ってるから、ゆっくり、おいでね。」


そう言うと、おばあさんはいつもの優しい顔で笑った。




隣のおじいさんの顔を見たら、また泣いていた。








朝目が覚めると、おじいさんが隣に居なかった。



あれ、なんだか・・・




焦げ臭い・・




クンクンと匂いのする方へ行ってみると、おじいさんがおばあさんの真似をしていた。


鍋を火にかけて、野菜を切って・・


ボクのお皿にはいつものご飯が、山盛り!


嬉しいけど、こんなに食べられないよ。



ご飯を食べてるとおじいさんがボクを見て、何か言ってる。



おはよう、シロ。って。



おばあさんと同じ事言ってる。



なんだか嬉しかった。



お腹もいっぱい。



おじいさんはもう泣いていなかった。




夢におばあさんが出てきたんだって。



ボクと同じ夢かな?




それからはおじいさんとも仲良くなって、毎日楽しいよ。



写真に写ってるおばあさんと、おじいさんとボクで幸せに暮らすんだ!

おばあさんとシロ

おばあさんとシロ

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 幼児向け
更新日
登録日 2020-01-12

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