煤塵の空

灰色の街
煤塵の空

指の汚れはうっすらと
降るのは雪か燼灰か

膨張してゆく宇宙の中で
俺が見たのは何なのだ
確かにそこにあったのか
あったようには思うけど
今は跡さえ残っていない

港を離れる一艘の船

震える汽笛
流れる夜景

今は跡さえ残らない

妄想だろうか
希望だろうか
夢と消えゆく
銀貨の光

銀河団のように離れていって
いつか見えなくなってしまうのか

夢と消えゆく

銀貨の光

煤塵の空

煤塵の空

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-11

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