デイ スウィング グレープ

川島 海


とても大きな自画像の
真っ黒な瞳に夢を見て
これから街を出ようというのに
冬がまだ終わらないことを知った
とても静かに

それから
横断歩道を渡るペンギンの群れ
魔法は放たれてしまったし
風に揺れることのない木々は
坂道を照らす陽の光を繊細に選び取る

知らない街だった
襟元に溜まった数時間前の吐息だけ
あの子が変えた景色を覚えている
香るはずのない紺の果実が
街のどこかで生きている

デイ スウィング グレープ

デイ スウィング グレープ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-01-09

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