呼吸器使用第三の方法

犬棒あたる

ALS患者の私は少しの体動時にも軽い呼吸困難が起こるようになった。浅くてはやい。いよいよ今後は呼吸管理が重要となってくる。私は呼吸器をつけるにあたり主治医に相談したら、彼は呼吸器の基本的な使い方を説明してくれた。
 第一の方法:呼吸器をつけない。しかし最後まで苦しい。
 第二の方法:呼吸器をつける。法律上取り外すことはできない。
 第三の方法:呼吸器をつける。自発呼吸が無くなったら止まる。法律上の問題はない。
私には第三の方法は耳新しかった。これを主治医に因んで遠藤方式と呼ぶことにする。
この方式は私が常に望んでいた安楽死とどう違うのか。
安楽死は条件を満たせば望んだ時に、短時間に、確実に、安楽のうちに人生を終えることができる。しかし我が国の法律がこれを阻む。これに対して遠藤方式は自発呼吸がとまるのを待つので望んだ時にというわけにはいかないが、法律に縛られないのはいい。そして自発呼吸があるうちは呼吸器は動くし、緩和治療を併用すれば、あまり苦しまずに最期を迎えられるのもいい。ただ一つの気掛かりは安楽死と比べると区切りがはっきりしないので家族の介護負担の終わりが見えないことだ。
私は通院治療から訪問治療に変えている。私は安楽死を選択できない以上、遠藤方式を選ぼうと思う。
    2020年1月7日

呼吸器使用第三の方法

呼吸器使用第三の方法

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
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