黄いろいばら

秋津 澪

 黄いろいばらよ、かれんな花よ、
 君は陽を浴び あたたかないろ、
 されどあなたの立ち姿、
 後ろめたげにうつむいて、
 どこか光にひけめがあるよう、
 落とされた影に重き頭をもたげてい、
 君さみしげだ、おのが美貌が重荷なごようす。

 青空淡い、小鳥さえずる、
 きょう 透明な春の朝です。
 道ゆくひとはしゃんとして、
 至極まっとうに歩いてます。
 されどばら、君恋してる、
 かなわぬ恋に 棘さえふるわす。
 ばらの黄いろは 太陽のいろ、
 君の淋しい立ち姿、
 恋したひとの、後ろめたさ。
 勝手に「幸福」押しつけられる、
 おのが春いろ 耐えかねて、
 花弁をふり落さんとする
 黄のばら抱いた苦しみを、
 往くひと、自転車、誰も知らない。
 小鳥らも空も、そしらぬ顔で。

 そう「恋愛(あい)」それは「太陽」と、
    同じ色しちゃ、いけないのです。
    恋に殉じちゃ、いけないのです。

黄いろいばら

黄いろいばら

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-01-09

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