【超短編小説】クラゲ

六井 象

 水槽いっぱいに、クラゲが泳いでいる。半透明のふわふわした塊たち。近づきもせず、遠ざかりもせず、ゆらゆら。幻想的な光景。「半分くらいは幽霊なんですよ」たまたま通りかかった飼育員の人がそっと耳打ちしてくれる。私はこんな綺麗な幽霊になれるだろうか。空っぽの財布と遺書を、ポケットの中でそっと握りしめた。

【超短編小説】クラゲ

【超短編小説】クラゲ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-01-07

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