夜のロンド

滑らかな風が五線譜をあける

それに私は気附いている

詞(ことば)なくして通じ合いたい

私はお前に惚れている

心臓の内で繰り返す

お前のきょうの旋律を

私が夜を漕いでいく

私は夜に融けていく

電灯が朝に歯向かう

ここは私達の鍾乳洞だ

私はお前に惚れている

だれにも邪魔はさせないさ

喉(のんど)から掌が顔を出す

みえない糸で引いてくれ

朝をしらない蛾になろう

さあ恋人よ

秘密のロンドを踊ろうか?

夜のロンド

夜のロンド

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-06

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