モンスター
テトリスのブロックが増え続ける
それを恋と呼びたいのに
ゲームをしたら負けてしまう
消すことのできない思いを
光らせるほど恥ずかしくなっても
イルミネーションの間に置くよ
眩しさの中にいるだけで
強くなれる気がするなら
何も隠さずに伝えたかった
指先に挟を握るモンスター
返事を聞くのが怖くなったから
耳を塞ぐ代わりに破いた
キャンパスノートの背表紙が
手紙をバラバラにして
封筒まで辿り着けなくなり
ひとり分の歩き方に慣れると
テイクアウトのハンバーガーで
前が見えにくい竹下通り
雨宿りをする隙間に
テトリスの傘が落ちて来る
モンスター