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2019/12/31 twnovel
新聞切り抜きの「あ・け・お・み」という怪文書を顔馴染みの駅長から渡されたが、「め」が見つからず大変悔しかったろうと同情してしまい、代書屋で便箋に「あ・け・お・め」と書いてもらう。「本当にこれだけ?」「ええそれだけ」怪奇事件に「め」がないものでね、ワクワク分のお礼だよ。
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◆高宮聡◆
小説家、フリーライター。インターネットという“路上”に立つ、ストリート作家。
【Twitter】https://twitter.com/satalonade/
2019/12/31 twnovel (2)
書斎で怪文書を眺めていると、下の方に「この文書を年明け前に読んだ人物には幸せが訪れる。来年もよろしく頼む――。“め”は春までには見つけておく」とある。こちらはシャープペンシルで走り書きしてあった。なんとまあ。また代書屋に行く用事が出来たじゃないか。しかしなぜこんなことを。
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◆高宮聡◆
小説家、フリーライター。インターネットという“路上”に立つ、ストリート作家。【Twitter】https://twitter.com/satalonade/
2020/01/04 twnovel
サイキック能力を持つ少女が新しいことを始めたらしい。ある菌の繁殖をしたいと、その分野に詳しいわけでもないもっともピュアな友人に頼み込んだ。「私がこれからやることの宗義になって。お願い」彼女の言葉に「義理付くのはよしてくれ」と役目を終えたアパートの合鍵を取り出す彼――。
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◆高宮聡 Takamiya Satoshi◆
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2020/01/07 twnovel
「それ似あいますよ」彼女は立ちあがり、弱兵を退けるような豪胆な態度でその場を改新した。一等星に照らされ彼の根毛がきちきちに埋まっている頭皮が見えたか見えなかったか知らないが、検針員妙説をただ聞いた。「畑山にね。これぞ定理です」口頭では伝わりにくい。夜籠もりするらしい。
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◆高宮聡 Takamiya Satoshi◆
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