穢れなき心のおはなし

Shino Nishikawa

2020年1月2日の御話

穢れなき心のおはなし
全ての年が大事な1年ですが、2020年のように数字がきれいに並んでいる年は特別に感じます。スポーツをしている直人にとって、この1年は本当に大事でした。
なんといっても、オリンピックがあるのです。
体操選手の直人はまだオリンピックが決まりません。
他の競技では、2019年のうちにどんどんオリンピック内定者が出ていきました。
けれども、それは仕方ありません。
スポーツは体を使います。
マラソンや競泳は、呼吸を激しくするので、最後まで五輪内定争いをしていたら、国にとって大事なスターが死んでしまう恐れだってあります。
体操は勢いでやる競技ではないのです。
神に祈らないと、簡単にケガをします。
ですから、五輪内定時期が他よりも遅いのでした。

もしも東京オリンピックに内定すれば、直人にとって、2回目のオリンピックでした。
しかし、体操は一番人気の競技です。
前世よりもっと前から、体操をするために生きてきます。それはみんな同じです。
とても怖い事でした。

直人にとって、この年越しは辛いものでした。
年末年始に働いてくれる人がいるから、自分たちは楽しめます。
けれど、今回の年越しは、直人が働けないものでした。
直人の心は大変な状態だったのです。
神聖な気持ちで、大事な2020年を迎えたいと考えていた直人でしたが、大晦日にコンビニに寄った時、嫌な事を目撃します。
子供を3人連れたお父さんが、間違えて列に割り込んでしまったおじさんを怒鳴りつけたのです。
直人は悲しくなり、思わず心の中で言いました。
『お父さん、悪い因果関係が今生まれましたよ。』
直人は仏教徒です。
コンビニを出ると、龍が青空を飛んでいきました。
2019年の神様の世界での王様は、ドラゴンで、ドラゴン様はいつでも変なタイミングで目の前に現れました。

直人は、考えました。なぜ、子供を連れたお父さんが見ず知らずの人に怒鳴ってしまったのか。ドラゴン様は何を思っているのか。

直人は年越しをして、初詣をした時、年越しは1年の中で一番大変な行事だと分かりました。そして、年越しの間中、まだ五輪内定をもらっていない自分への恨みが少ない事を感謝しました。体操は多くの人の憧れの競技なので、たくさん恨まれてしまいます。

初詣をした時、直人はオリンピックの事を祈りましたが、あのお父さんの事が忘れられませんでした。
ちょっとした悪い事が、心の中に残ってしまう自分がイヤでしたが、薬を飲んでから少したつと効いてくるように、初詣をして少したつと分かりました。
あのお父さんの出来事は、心についてしまった穢れなのだと。

心は綺麗な物です。ですから、ちょっとした事で穢れがつきます。
それが分かれば、ちょっとした悪い事を気にする自分が楽に思えるでしょう。
過ぎ去った嫌な出来事を想って、あれこれ悩むのは、心の穢れの跡がうずいているのです。
それが分かれば、きっと消えていきます。

ネズミ年ですから、ネズミの置き物などを飾ると、神様が入りやすくなるので良いと思います。神様や良い霊というのは、家の中の自分に似ている物に乗りうつって、呼びかける事があるのです。

人生が難しいという事も忘れてはいけません。
いつでも神様に祈りましょう。
寺社にいくのはもちろん、月や太陽、空、雲、星に願ってもいいのです。
無理な場合は、その場でもかまいません。

神様は変なタイミングで声をかける事もあります。
心の傷は、体の傷よりも目に見えないので、自分さえしっかりすれば、浅いものなのです。
体には傷をつけないようにしてください。
心は、穢れついたという事が分かって生きていけば、自分次第で、穢れなき心に戻せるのです。

穢れなき心のおはなし

穢れなき心のおはなし

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-01-02

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