狛犬のおはなし

Shino Nishikawa

令和元年最後の御話

狛犬のおはなし
狛犬は、獅子や犬に似た獣の姿をしており、空想上の生物とされています。
よく神社に左右一対で置かれ、参拝客を見ています。
阿形の狛犬には角がなく、口を開いて球を抱えています。
吽形の狛犬には角があり、口を閉じ、子供を抱えている場合もあります。

人にはそれぞれ、守り神がいます。
狛犬様、鳳凰様、ドラゴン様、狐様、狼様、コブラ様、大虎様、黒猫様‥どの神様かは、家族や血縁も関係ないのです。
姉は鳳凰様が守り神でも、妹は大虎様が守り神かもしれません。
母親の守り神がキリスト様で、父親の守り神がドラゴン様で、自分の守り神が黒猫様なら、3人の神様に守られる事もあります。
神様というのは、ここに書ききれないほどにたくさんいらっしゃるのです。

今日のお話は、悪い恋をしたばかりに、狛犬の息子を傷つけてしまい、呪いの道を歩むこととなったサヨちゃんのお話です。

サヨちゃんの運命の人は、狛犬様が守り神である男、礼三でした。
しかし、それが分からない19才のサヨちゃんは、別の男と付き合ってしまったのです。
サヨちゃんはいつもふざけていて、神様の存在すら信じていませんでした。
礼三は嘆き悲しみ、ついには命を絶ってしまったのです。

何も知らないサヨちゃんでしたが、なぜか涙が溢れ、夜、夢の中でサヨちゃんは真っ暗闇に来ました。
すると、阿形の狛犬様が球を口にくわえ、吽形の狛犬様が角をこちらに向け、サヨちゃんの下へ来たのです。
「サヨ、礼三に何をした?」
「え?何もしてないよ。」
「とぼけるな!!」
「本当に知らないよ。」
サヨちゃんは夢の中でも、ふざけた子に戻ってしまい、狛犬様に向かって失礼な事を言いました。
「阿形の狛犬なんて、こわくないもん。だって、角がないんだから。あれぇ?吽形の狛犬は、いつも口を閉じているんじゃないの?」
「サヨ!!ふざけるのもいいかげんにしろ!!」
阿形の狛犬様が怒り、サヨに球を当て、サヨは倒れました。

「いいか、礼三はな、サヨの運命の人だったんだぞ!だけど、サヨが裏切ったせいで、礼三は自ら命を絶ったんだ。」
「え‥。礼三が私の運命の人?」
「そうだよ。サヨちゃん。礼三の命はもう戻らない。」
「そんな!!あ、あなた達、神様なら、礼三の命を戻してよ!!私だって、悪い人と付き合って、悲しかったんだからね!!」
「そんな事を俺たちに言われても知らないよ!!自分の守り神に言え!!」
「守り神が誰かなんて、知らないもん!!お願いです、礼三の命を戻してください。」

「じゃあ、何かと引き換えにしよう。」
「サヨの命とか?」
シャハハ‥狛犬様は笑いました。

絶望したサヨの目の前に、光った神様が降りてきました。その方こそ、サヨの守り神です。
神様が言いました。
『サヨの命は渡さない。その代わり、お前たちの息子に力を与え、サヨから離す。』
サヨの守り神様が言い、狛犬様は納得しましたが、言いました。
「でも、サヨにはしっかり謝らせてくれよ。」
「一番辛い道を行くのが一番ですわ。」

『もちろんだ。その話は、私たちの話にも関係している。』

サヨは震えました。
しかし、守り神様が、サヨの命と体は守ってやると約束してくださりました。

生き返った礼三には、力が与えられていました。
そして、あっというまに、日本トップクラスのスポーツ選手になったのです。
これには、狛犬様が大喜びになり、試合にも応援に行かれました。

その一方で、礼三はサヨからどんどん離れていきました。
運命の糸は、しっかりと切れてしまったのです。
大人になると、運命の相手との結婚がどれほど大切なのか分かります。
サヨは、それこそが一番の幸せだと思いましたが、自分の過去の罪を思い出し、礼三との結婚をあきらめることにしました。
でも、魂は輪廻をつづけます。またいつか、礼三の運命の相手になれるように、サヨは努力しました。
サヨは、日本トップクラスの良い歌を書きましたが、なかなかデビューはできません。
それは、過去に悪い因果の種をまいたからでした。

ついに2020年がきました。礼三がオリンピックに出ます。
しかし、サヨはまだデビューできません。
サヨは、神社にお参りに行く事にしました。
そして、もう一度、狛犬様に過去の罪を謝罪しました。


狛犬様がサヨの心の中に現れ、言いました。
「サヨは良くなった。サヨは因縁を作ってけ。もしお前が2020年に出られないのならば、因縁で相手がつぶれるようにな。因縁は、お前の神の世界にある因果の道理によく似ている。」

サヨはついに、自分の守り神様が誰であるのか理解していました。
それは、お釈迦様です。
サヨが歌を書けたのも、サヨの守り神様がお釈迦様だったからなのです。
職業も守り神様が関係しています。

お釈迦様は、サヨにたくさんの神様を教えて下さりました。
辛かったサヨは、最後に因縁という大きな呪いをかけます。
それは、頑張ったサヨが、神様に赦された呪いなのです。

日本の神様の記念大祭である、2020という大切な1年が始まります。

2019(令和元年)12月31日 詩乃 西川

狛犬のおはなし

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