あしたもまた、想う

あおい はる

 波の音が、きこえた、海は、遠く、みえないのだけれど、なぜか、やさしく寄せる、波の音が。
 くらげのことを、想像しながら、あの子たちのことも、想った。インターネットのなかで、あの子たちとは、おそらく、友だち、という部類にはいる関係だったのだけれど、ほんとうの顔も、なまえもしらないひとを、友だち、とするのは、どうなのかな、と思うこともあった。インターネットだけの関係、というのは、ひどくあいまいで、あやふやで、たよりないもので、くらげは、たぶん、ゼリーみたいな感触で、もしかしたら、熱で溶けるのかもしれなかった。教室には、この冬になってから、ひんぱんにペンギンが姿をみせるようになり、けれど、冬休みを迎えた今、彼らがそれでも教室に現れているのかは、なぞだった。ペンギンは、大小さまざまな体型のものたちが、だいたい二羽、三羽、多いときは五羽ほど、教室のなかを縦横無尽に、歩き回っていたのだけれど。あの、床を、ぺちぺちと音を立てて移動する様子を、ときどき、思い返した。
 年の瀬の、テレビの画面はにぎわっていて、ごみごみしていて、これが、お正月になると、もっと、はではでの、目が痛くなる感じになるのだろうから、長い時間はつかれてしまう気がする。くらげにも、思考や、感情なんかが存在して、きょうは海が荒れているな、とか、おなかすいたな、とか、ねむいな、などと思うことが、あるのかもしれない。おおみそかとか、お正月というものをしているかは、わからないけれど、でも、海のなかにも平等に、おおみそかはあるし、お正月だってくるのだと思う。うっとりするくらいの、青い海のなかにも、きっと。
 てんぷらそばのてんぷらは、えびが好き。

あしたもまた、想う

あしたもまた、想う

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
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