はねあつめ

窓辺にならんだとりの羽
いけない予感にぶるり震える
美しいことは否定しないけれど
満たされていた自分が不気味で

思えばあれもそうでした
切り落とした爪を捨てられずに
繊月を拾っただけだと言い訳し
引き出しの奥に宇宙を生んだ

わたしはそういうやつなのです
キャラメルについてたおまけたちも
使う予定なんてない兎のフィギュアも
手元においては満たされていた

その理屈でいえばわたしは
今すぐ地球上の花たちを
ワンルーム埋め尽くすこともいとわずに
かき集め飾らなければいけない

その理屈でいえばわたしは
今すぐ大事な人の写真を
音声を動画を撮影しはじめて
それに一生を捧げるべきだ

窓辺にならんだとりの羽
ここにあるから愛おしいのか
世の中のどこかにあるから慈しむのか
それを手に取り目を瞑る午後

はねあつめ

はねあつめ

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-12-28

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