冷たい真夜中

フッツ

冷たい真夜中、星々は小さく
吸い込まれてしまいそうな空の下
縮こまってコンビニへ行く

眠りについた町の眠らない場所
高らかな電子音とコーヒーの匂い
窓際に並んだ雑誌の
平たい笑顔の列をすり抜けて
ガラスの扉を引き開ける

手にした二本のペットボトルが
マニュアル化された会話を生む
レジカウンター越し
何となく知ってる顔
差し出された袋の持ち手
その歪んだ曲線を掴んで
何もなかったように店を出る

リセットされた訳じゃない
なのに何故か少しだけ足取りが軽くなる
合わせて揺れるレジ袋が
乾いた音でリズムを刻む
吸い込まれていく空
星々が小さく瞬く
冷たい真冬の冷たい真夜中

冷たい真夜中

冷たい真夜中

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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