とげのからだ

「いかないで、さびしい。」

ほんねはくるしくて、今にも溶けてしまいそう。

とげのからだが、あたりを突き刺して。

「行かないで、」

ほんねとはちがって、あたりを血だらけにする。

牙が生えてきて、キラリと光った口元に、だれもが恐れ逃げていく。

そんなつもりは無いのに、こころがわたしを守る。

「お願いだから、そばにいて。」

とげのからだ

とげのからだ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-12-26

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