夕日柿/俳句12首

つるし柿 消えし空き家の 戸は揺れて


冷え逝かぬ 花を残して 陽は入りぬ


入り行く陽 山の小柿に 色を添え


まつりごと 人代われども 変わりなし


切り株に 当てのカラスも 困り果て


老い人の 焚き火を気遣う 人も老い


木枯らしの 合間をぬって 葉を寄せぬ


これなあに 種知らぬ孫に 一苦労


柿見れば 無き故郷の 家想い


柿赤き 干す稲の田に 煙立ち


セピア色 写真の柿の 色や赤き


柿紅き あの日の君は 何処にや   

夕日柿/俳句12首

夕日柿/俳句12首

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-12-23

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