明日を待つ駅にて
灰色の駅は冷たくよどんで
“明日”を待つ人は皆いつでも
かじかむ手をすりあわせながら
身を寄せ合ってひしめいている
白い吐息の中へ隠された祈りは電灯の薄闇の中に結晶し
人々の上に白く鋭く降り積もっていく
結晶に侵された老婦人が言う
「なにも始まらなかった一年の終わりに
北極からの列車がくるのよ
私の愛した人達をいっぱいにのせてね」
列車はまだやってこない
白く染まった彼女の手は冷たく
ふれた私のほおにひとつ
氷の結晶が残った
明日を待つ駅にて
灰色の駅は冷たくよどんで
“明日”を待つ人は皆いつでも
かじかむ手をすりあわせながら
身を寄せ合ってひしめいている
白い吐息の中へ隠された祈りは電灯の薄闇の中に結晶し
人々の上に白く鋭く降り積もっていく
結晶に侵された老婦人が言う
「なにも始まらなかった一年の終わりに
北極からの列車がくるのよ
私の愛した人達をいっぱいにのせてね」
列車はまだやってこない
白く染まった彼女の手は冷たく
ふれた私のほおにひとつ
氷の結晶が残った
明日を待つ駅にて