豚を愛する男の歪んだ家系図

 幼い娘の膣へ強引に指を突き入れ、中の形を調べた。血が溢れ、娘は泣き叫ぶが父親は意に介さない。暴行は二分ほどであったが、少女には何時間もの長さに感じられた。終えた父親は指を引き抜き、残念そうに呟く。
「まるっきり人間じゃないか。黒のように豚の形をしていれば遊び甲斐もあるのに」
 幼い娘は何が起きたのかも何をされたのかも分からないまま、痛みに耐えかね大声で泣いている。父親は娘に見向きもせず、血に汚れた手を近くの洗面台で洗い流した。外に待たせていた使用人に指示し、娘を母親の元へ帰らせ椅子に腰かける。遠ざかる娘の鳴き声を聞きながら、父親は娘の扱いを考えていた。
 少女は母と姉の三人で暮らしている。彼女らの住処は室内にあり、一年中適温に保たれている。彼女らは閉じ込められていた。部屋全体が電気柵に仕切られ、二枚ある鋼鉄の扉は施錠されているうえ重く、女子供の力では動かすことができない。そも、彼女ら三人で手を使えるのは一番年下の娘だけだ。ドアの仕掛けが簡単だったとしても、外へは出られない。
 床はシリコン製のすのこになっており、糞尿は下の排水溝に流れる。中から任意に水洗でき、消毒薬も消臭剤も撒かれている。
 父親は人間であり、少女も姉も人間の形をしているが、母親は豚だった。彼女らの母親は中身も外見も豚と変わりなく、言葉を話すこともできない。元は人間で、人間の精子で妊娠が可能、人間だった頃を覚えているといった点で、他の豚と異なる。
 娘二人は母親と一緒に、豚のために作られた部屋で飼育されている。母と姉妹は必要がない限り、部屋から出ることができない。様々な理由で姉妹は部屋を出るが、施設の外へ出たことはない。姉妹は自分たちを不幸だと思っていない。
「おねえちゃあん」
「お帰り白、怖かったんだね。初めてだもんね、痛かったよね」
 少女は涙し、姉に抱きついた。股間からはまだ血が流れている。姉は妹を優しくあやす。同情している様子は見えるが、悲壮感は感じられない。姉もまた、同じような経験を何度も繰り返していた。その証として、大きくなった下腹部には多くの命を宿している。
 彼女らにとって排泄は恥ではなく、もよおせばその場で行い、床の溝に落とす。残るようなら、壁に据えられたスイッチを頭で押して床を水で流した。姉妹は母親と同じく四本足で歩き、寝るときは手足を投げ出す。ただ、姉の手足は妹より短かった。肘から先、膝から先が切り落とされている。
「ちゃんとパパにご奉仕出来て偉かったね、いいこだね」
「白、いいこなの?」
「そうだよ。パパのお手伝いをしたんだからね」
 姉の手足は四本足で暮らすのに都合の良い長さで切られている。ただそれだけの理由で姉の手足は切断された。姉妹はそれを当たり前のことと思っていたが、かつて人間であり、普通の女子高生として暮らしたことのある母には不憫でならなかった。母親は人間の言葉を話せない。ある程度の意思疎通は可能だが、今の生活が人間らしさとかけ離れていることを伝えることはできなかった。母豚は血に汚れた娘の下腹部を舌で拭う。
「ほら白、いつまでも泣いてるからママが心配してるよ」
「ごめんね、ママ」
 状況を理解出来ない娘と孫娘を見て、母豚は悲しくてならなかった。自分を慕う二人に寄り添い、三人で抱き合い愛情を確かめることだけが彼女の安らぎだった。

◆◆◆

「黒、交尾しに来たぞ」
 母と姉妹の住処に父親がやってきた。彼は動物性愛者だが普通の豚との性交渉では満足出来ず、生きた人間の少女を豚そのものに変え、性欲のはけ口にした。
 少女だった豚は、普通の豚とは明らかに反応が異なった。男ははじめこそ満足したが、豚にした少女が自分の精液で妊娠したことで、欲が出た。生まれたのは九匹の豚と一人の人間。男は九匹と一匹を分けて育てた。九匹はただの豚として放置し、一人は母豚と一緒に過ごさせ、言葉を教えた。
 放置された九匹はただの豚として育ち、各々に交尾し、今も子孫を増やしている。男は彼ら彼女らの飼育を他人に任せ、必要な時だけ使用した。使用されたことを知って、母豚は自殺しなくなった。
 人間の形で生まれた一人だけは愛情を持って接し、黒と名付け、大きくなるのを待った。半分が豚であるためか成長は早く、三歳になる頃には妊娠可能な体になった。
 彼女の内臓は人間よりも豚に似ていた。肝臓がとても大きく、子宮は二股に分かれている。父親は娘と繰り返し交尾した。母豚と同じく、父親の精液で妊娠できる点を大変気に入った。
 父親は命をもてあそぶこと、黒の人間性を踏みにじることが好きだった。まだまだ幼く、小学生並の大きさしかない黒が手足をちぎられたまま四つ足で歩き回り、楽しそうにはしゃぐ様子を見るのが好きだった。妊娠させ、子豚を産み落とす様子を見るのが好きだった。自分の豚鼻と複乳を見て「お母さんとおそろい」と喜ぶ黒が大好きだった。自分の行う非道の意味が分からず、なついてくる黒と接するだけで絶頂しそうになった。 
「パパ、黒は会えて嬉しいです。はやく黒のまんこに男根を挿入してください」
「そう急ぐな」
 父親は黒の膣に清潔な合成繊維の棒を突き入れ、中の形を整えた。中の子供を傷つけず、膣で楽しむためだ。黒は豚のようにいななき、顔をとろけさせる。母豚と白はその様子を離れたところで見守る。
 手が愛液でびっしょりになって、ようやく父親が棒を引き抜く。ズボンを降ろす父を見て、黒は身を横にし息を荒くして待った。
「あぅうん!」
 身を震わせ、黒は父親の男根を受け入れた。黒が知るただ一人の人間の男性、その臭いに興奮し快楽を味わっていた。父親は黒の胸を掴み、引き寄せる。
「おい、気持ちいいときはブヒブヒ鳴けと教えただろう」
「ぶひぃ、ブヒィィイ!」
 黒の声色が変わる。手足の断面で必至に床を蹴り、父親のピストンを感じやすいよう腰を持ち上げた。父親が一度目の射精を行うと、再び甲高く鳴いた。
「ぷぅ、ぎぃ!」
 腰をくねらせ、男根の位置を変えさせる。膣の奥深くに届いた父親のそれは、子宮体から枝分かれした子宮への道を開く。精液を受けては体の向きを変え、左右の子宮は精液を貪欲に飲み込み肥大化していく。
「今度は蓋をしてやろう」
 父親は男根を引き抜くと素早く浣腸を刺し、娘の膣にゼリーのような液体を流し込んだ。本来豚の交尾は長く、終わった後も精液が漏れぬよう、ペニスから粘性の高い液体を出して蓋をする。少女はこれが好きだった。最初は嫌がった本物の豚との行為も、子宮体に蓋をされる快感がクセになり、今では拒まない。
「ふごっ、ぷ、ぷぎぃ」
 父親は前に回り、豚のように振る舞い、快楽にわめき、痙攣する娘の顔を覗き見る。娘より大人びているが、まだまだ幼い顔つき。父親は黒が小さくかわいらしいままでありながら、豚として抱けることに満足した。
「気持ちよかった、ありがとう黒」
 父親は母豚に向き直り、彼女の鼻に手を触れた。母豚は嫌そうな素振りを見せるが、抵抗はしない。
「朱美(あけみ)、黒はとても良い。キミと同じくらい良い。だが白はボクに似すぎた、だからおもちゃにさせてもらうよ」
 母豚は大声で鳴き始めたが、父親が娘に目配せすると静かになった。彼は満足して退出し、二人の姉妹と豚一匹が残された。うれしそうな顔で横になる姉を見て、白は自分の股間にも同じものが入れられる様子を想像した。

◆◆◆

 白は別室へ移され少量の薬を打たれた。姉妹が母と慕う、かつて人間だった少女を豚に変えるとき使ったものと同じ薬だ。
 父親は白が人間に似ていることが不満だった。彼は豚が好きなのであって、ただの幼い娘には興味がない。
 白は、黒が妊娠可能になってすぐ父親の精子で受精し生まれた子供だ。彼女らは三歳で妊娠可能になることが分かっている、黒が七歳で白が三歳。黒は自分が赤ん坊を産んだことに気づいていない、出産中も出産後も、自分の子供が見えないよう目隠しをされていた。黒は喜ぶ父親に満足し、苦しみに疑問を持てないまま今日まで過ごしている。
 自身が演出した歪んだ血縁に満足していた父親は、白を豚に寄せることを思いついた。少女の体が人間なのは自分の血、人間の血が濃くなってしまったからだろう。なら、かつてあの女にしたようにすればいいはずだ、と。
「ぷい、ぷ、ぷふぅ」
 少量の投薬にかかわらず、大きな変化が始まった。生まれつき豚の素養を持っていたためかもしれない、体が小さいからかもしれない、幼さ故の代謝の良さかもしれない。が、父親は理由に興味を持たず、幼い娘の軋む筋肉や音を立てる骨格に目を向けた。
 真っ先に変化したのは手足、足先、鼻先。幼いころの黒に容姿が似ている、期待した父親は待ちきれず、変化を促すことにした。
「ぷぅう! ぷぅぅぅぅぃぃぃい!」
 父親は手袋を付け、手袋にローションを塗った。白の体は小学一年生程度の大きさしかない。傷つけたら死んでしまうかもしれないと考え、やさしく、教えるように股と膣を刺激した。白が体を震わせている、未知の感覚に戸惑い翻弄されていた。父親は良い眺めだと思った。
 薬の作用は性交するほど早く、強くなる。投与された人間が女性の場合、受精することで完全な豚になることが分かってる。だが、父親は変化が途中で止まることを望んだ。白と会話がしたかった。無知なまま豚に変えられた少女が何を話すのか、聞きたかった。
 言葉だけを残して変化させる方法は発見されていないが、中途半端な動物を作る方法は分かっていた。受精や精通といった決定的な行為がなければ、変化は途中で止まり不完全なまま終わる。
「ぷふ、ふぅぅう」
 父親は手を止め、娘の変化を観察した。顔はかなり豚に寄っている、尻尾も生えかけている、指先は完全にヒヅメになっていた。胸を見ると、新しい乳首が確認できた。彼は娘の膣に小さなバイブレーターを入れ、手で新しく生えた複乳を揉み解した。
「いっ、あ……やめてぇ、もうやだよぉ」
「白はワガママだな、お姉ちゃんは嫌がらなかったぞ」
「おねえちゃんも、これやったの?」
「そうだよ」
 父親は嘘を言っていない。母親とおそろいになれる、そう聞いて黒は手足の切断を喜んで受け入れた。父親のためだと聞けば、父とも兄弟との進んで交尾した。
「でも、こわいよぉ」
 対して白は、臆病だった。容易に発情する黒と違い、乳首への刺激も膣への刺激もよくわかっていない。父親は二人の違いを喜んだ。
「怖いのか」
「うん」
「じゃあ、怖いまま我慢しようね。かわいい娘、かわいい子豚ちゃん」
 平たく膨らんだ白の鼻に父親はほおずりする。不安で胸がいっぱいの白は見慣れた父親の顔に安心を求めた。
「ちょっとは落ち着くかい?」
「うん」
 白は自分の体から目を離し、父親の顔だけを見た。変化から来る感覚の波は、自分の顔を父親に押し付けることで我慢した。
「ママは好きかい?」
「うん」
「おねえちゃんは?」
「すき」
「パパは?」
「パパも、すき。ねえ、うれしい?」
「ああ、うれしいよ」
 父親は優しい顔で微笑むが、娘の言葉を喜んだわけではない。豚の顔、豚の手足、豚の尻尾、一対から六対に増えた乳首、大きくなった肝臓に押し出され太ったように膨れた腹……こんなに豚なのに、白は言葉を失わない。父親は望み通りの結果に喜んでいた。

◆◆◆

 暴れても危険が無いよう、母豚は別室に移されロープで吊るされる。身動きの取れない母豚の前にはモニターがあり、姉妹の様子が映されている。
「いいなぁ、お姉ちゃんもママとおそろいになりたいなぁ」
 黒は豚の姿になった白に近づき、残った腕で体中を撫でまわす。複乳を触られ、白は喘ぎ声を出した。黒は何が起きたか察し、白の乳首を吸い始める。
「やっ、おねえちゃん?」
「乳首ってね、吸われると気持ちいいんだよ。だからお姉ちゃんが吸ってあげる」
 黒は残った足で器用に寝ころび、妹の下へもぐりこみ乳首に吸い付いた。白の喘ぎ声が大きくなる。
「ねえ、気持ちいい?」
「わかんないよぉ」
 体を震わせ戸惑う白に、黒は肘から先のない両腕を広げ乳首を見せた。
「じゃあさ、おねえちゃんのを吸ってよ。いいでしょ?」
「うん」
 潰れた鼻を押し付けながら、白は姉の乳首を吸った。妊娠している黒の乳からは母乳が出る、白は母親の乳をおいしいと思った。対する黒は、白の吐息と柔らかい唇に全身をよじらせ、快楽を得ていた。
「おねえちゃん、ママとおんなじでおっぱいでてくる。おいしい」
「じゃあ、おねえちゃんの乳首全部のおっぱいを飲んで。いいでしょ?」
 息を荒くし懇願する姉を見て、白は自分が役に立っていると思いうれしくなった。
「うん、おっぱいのむ。ねえ、白いいこ?」
「あふぅっ! うん、とってもいいこ、だよぉ……ああっ、気持ちいいよ白ぉ」


 母豚は涙を流しながらモニターを見ていた。後ろでは、父親が彼女の膣に男根を挿入している。
「朱美、ボクらの子供はかわいいね……ふふふ、締りが良くなった。ボクを恨んでいるのだろう? 死にたいのだろう? 好きにしていいよ、ボクらの子供はいくらでもいるんだ。キミが舌をかみ切る度に、一匹潰して移植すれば済むんだからね」
 母豚は激しく暴れ、いななき、涙するが、ロープを揺れるだけで何一つ変えられなかった。それでも、母豚は感情を抑えることができなかった。父親は無駄な抵抗をする豚に興奮し、抱きしめ、男根を出し入れする。行為は三時間続いた。

豚を愛する男の歪んだ家系図

豚を愛する男の歪んだ家系図

人間の少女を豚に変え、交尾を繰り返す男性は豚の内蔵と人間の見た目を持つ娘を産ませることに成功する。 男は娘とも繰り返し交尾し、出産させた。娘もまた、人間の見た目を持つ子供を産むことに成功する。 https://slib.net/60241の後日談になります。

  • 小説
  • 短編
  • ホラー
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2019-12-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted