多久さんの事件簿【悪所巡り】40

西川詩乃

多久さんの事件簿【悪所巡り】40

彼女は赤痢だったんだよ

多久さんの事件簿【悪所巡り】40
多久が所属するマウンテンゴリラクラブは正規のクラブではない。
上のチームと正式に戦えないのはもちろん、オリンピックメンバーに選ばれることはない。
ついに、オリンピックの日本代表が発表された。
同じチームの中島普安威が言った。
「バスケの日本代表って一番かっこいいべ。」
「そうだね。俺たちはこんな場所でしかプレーできないんだから、仕方ないよ。」
鷲 誠が答えた。

「そりゃそうだけどさ、キャプテンの篠川は当然ムカつくぜ。」
普安威は、キャプテンの篠川に腹を立てている。
「クソクソクソ!」
普安威は壁を叩き始めたので、多久が止めた。
「そんな事しちゃ、ダメだよ。」
「お前もなんかやれよな。」
「もちろん。僕に考えがある。」

多久は超能力者だ。
「篠川は運命の女性を亡くしている。彼女は篠川のせいで、毒を飲んで自殺したんだよ。」
「なんで?」
誠が聞いた。
「篠川は、外での性行為中に、自分の便を彼女に食べさせたのさ。それで、彼女は赤痢菌になってしまったんだ。」
「ああ~。」

「それで、僕たちが彼女の親戚だと偽って、篠川を彼女に便を食べさせた場所に連れて行かないか?」
「は?」

「僕たちなら、必ずできるよ。」
多久は目を本気にした。

作戦実行の日、多久は超能力で、誠を篠川の昔の友人に変身させた。
練習が終わり、篠川が出てくる。汗を拭いているようだ。
誠が篠川に声をかけた。
「篠川君、僕のこと覚えてる?」
「あ、太郎君だよね?」
「うん、そうだよ。篠川君ってさ、美樹と付き合ってたでしょ?美樹が死んだの知っているよね?」
「うん‥。それがどうかしたの?」
「あのさぁ、篠川君さ、美樹と外でセックスしたでしょ?」
「いや、してないよ。」
「ううん、お前、したじゃんか。俺たちの仲間が、それを目撃して、あの時、噂になっちゃったんだぜ。もしかしたら、美樹はそれを気にして、自殺したのかもしれない。」
「え‥。」
「お前、バスケのキャプテンだろ?だったら、その場所に行って、お花を供えろ。」

「うん。分かった、それで許してくれるの?」
「許すも許さねぇも、美樹の命は戻らねえんだからな!〇月〇日〇時に、1人で花を買ってその場所に来い。もしも来なければ、お前がウンコを食べさせて、美樹を赤痢にさせた事を、週刊誌に書いてもらうぞ!」


「すごい演技だったね。」
戻ってきた誠に多久は声をかけ、誠は泣いた。

当日、変身した誠、多久、普安威が、篠川を待った。
篠川はやっぱり護衛と一緒に来た。
「よく親となんか来られるよな、こんな場所に。」
誠が篠川をのぞきこんだ。

篠川は美樹との卑猥な写真をバラまいていた。
普安威は、篠川と親にその写真を見せた。
「お前のバスケが強いのは、ただの悪魔の力だよ。」

3人は、篠川に土下座させた。
でも、心はもやもやしたままだった。やっぱり、週刊誌に書いてもらった方が、すっきりしたと感じた。

多久さんの事件簿【悪所巡り】40

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  • 小説
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  • サスペンス
  • ミステリー
  • 成人向け
  • 強い性的表現
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