卑屈な戦争
間抜けな微笑が星を訊ねた。
「どんな卑屈な戦争でも愛欲でもいいですから」
私はクレープに包んで仏語で書いた。
間抜けな微笑、疾走、冬の屋上、不意に氷片で両耳を覆った。
「まだ見たことがなかったんです」
革鞄から取り出した双眼鏡を渡してこの街を去った。時限爆弾の仏語を残して。
C'est la vie(これが人生です)
卑屈な戦争
作品集1 http://slib.net/a/1845/
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