SNSのない時代
SNSのない時代にかえりたい
それかSNSが絶滅した時代にならないかな
写真を撮らなくなった
口数が減った
情念を吐かずに燻した
出されたものをすぐ食べたときの温かさをおれたちは忘れていく
またねすら言わなくなった
本当の別れを知らない
月や夕焼けばかりを愛して
星と星を指で繋ぐ童心を置き去りにして
そのまま孤独な星たちは死んだ
星を殺したおれたちは星にはなれない
いや 空にすら行けない
生身の肉声を聴ける尊さを有り難さをその儚さを
「ふつう」だと言うおまえは不幸だよ
おれは哀しかった
いまも哀しかった
ああ
SNSのない時代にかえりたい
SNSのない時代