SNSのない時代

渡逢 遥

SNSのない時代にかえりたい

それかSNSが絶滅した時代にならないかな

写真を撮らなくなった

口数が減った

情念を吐かずに燻した

出されたものをすぐ食べたときの温かさをおれたちは忘れていく

またねすら言わなくなった

本当の別れを知らない

月や夕焼けばかりを愛して

星と星を指で繋ぐ童心を置き去りにして

そのまま孤独な星たちは死んだ

星を殺したおれたちは星にはなれない

いや 空にすら行けない

生身の肉声を聴ける尊さを有り難さをその儚さを

「ふつう」だと言うおまえは不幸だよ

おれは哀しかった

いまも哀しかった

ああ

SNSのない時代にかえりたい

SNSのない時代

SNSのない時代

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-12-18

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