ニャン相ハッと見【八猫伝】
死んだように眠りこけていました、
18時間くらい寝ていました。
なかなか面白い夢だったので
忘れぬうちに。
私はその世界で
現実に輪をかけて
不幸な毎日を送っていましたが
いつも心に響く
『力を付け皆と集え』
幼いころから尊く聞こえる
この内なる声に従い
切磋琢磨し
やがて成長
そんなある日
おにぎりを持って山へ山菜取りに。
収穫もおわり
さて、
お弁当を!
広げようとすると
おにぎりが手のひらから落ち
坂を転がっていきます。
そして
ようやく拾うと
目の前には
なんとも大きな穴が。
濃度の強すぎる
とんでもない妖気が蒸気のように
立ち上っています。
ともかく
逃げようと振り返ると
そこには
いつの間に来ていたのか
七人の戦士達が
険しい目で私を見詰めていました。
そのうちの1人が
私の手を指差し
まるで泣いているような微笑みを浮かべています
おにぎり?
おにぎりが欲しいの?
そう思い
私は先ほど拾い上げたおにぎりを
あげようと
その戦士に手を差し出すと
おにぎりは
いつの間にか
私の手の中で
【信】
と刻まれた眩いほどの閃光を放つ
ひとつの小さな珠へと
変わっていました。
いえいえ!
違いますよ!!
なんとなく
わかりますけど
私は
【八猫士】
の1人ではないのです。
巻き込まないで下さい…!
そう
ひきつる笑顔でバックステップを踏むと
何かを踏みつけ
後頭部を地面に強打。
なんだ??
何を踏んだ?
これは!
不思議なことに
私の尻から
三本に枝分かれした
尻尾が。
それを足に絡ませて
ふんずけてしまっていたよう。
いえいえ!
これは
その
違うのです!
ベルトです!
私だけが
慌てるなか
その様子を見詰めている皆さんは
無言でした。
すると突然
大穴の中から
数え切れぬほどの
どぶねずみが
一気にダッシュして
こちらに向かってきます。
さらに
その大穴の奥にチラリと
見えたのは
穴の大きさとほぼ同じほどの
巨大な鼠の眼
・・・あれぞ【鉄鼠】!!
いやいやいや
なぜ
そんな仇敵を私が知っているのか。
ともかく
大量に向かってくるどぶねずみを
フェンシングのような剣で
次々と刺す者
三銃士のような格好でブーツ履いてる!
あれが
長靴を履いたネ○!
火炎を用い
焼き払う赤猫士!
笛で操り
底無し沼へと誘導している猫士!
ハーメルンか?!
やるじゃない
すると
中ボスのような
カバ程もある一際大きな鼠
先ほど
穴の奥に見えた怪物ほどではないが
明らかに雑魚ではない!
その中ボス鼠が
八猫士の数名を撥ね飛ばし
私に向かってきます!
そこへ颯爽と
【智】
の珠を飛行石のような光を
耀かせ溢れさせながら
立ちふさがる
少し年配の猫士
どうやら
この中ボス鼠と年配猫士のあいだに
因縁があるらしい
がきん!
がきん!
と巨大な前歯と刀のように伸びた爪で
やりあう両名
この両名も何となく
トムとジェ○ーである事が
解ってしまいました。
その他にも
血だらけで
どぶねずみ達と戦う猫士達
そんな惨劇を
ビビりながら
見詰めていると
戦いのさなか
猫士全員の目が私に集中
『『『『『『『ここは!』』』』』』』
『『『『『『『我等に!』』』』』』』
『『『『『『『早く!!』』』』』』』
【【【【【【【ゆけええいっ!】】】】】】】
皆の宝珠が
一層光を増し
濁流の如き光の洪水となり
どぶねずみで溢れる中を
切り裂くように
一本の道が出来て行きます…!
いやいや
だから
わたしは!
…とは
とても言い出せぬ雰囲気
━━━━━星よ導きたまえ━━━━━
━━━━━━魔、祓い、たまへ━━━
え~
ホントに
私がいくの?
むしろ
私が残るから
誰か代わりに…
【【【【【【【ゆけえっ!!】】】】】】】
と、いう所で
目が覚めました。
ニャン相ハッと見【八猫伝】