十八時の詩
おきぬけ、あさは、きまぐれに、あおい。
心臓を、みどりのリボンで結ばないで、クリスマスにみたまぼろしが、永久的に、ぼくの視覚をみだして、星、びかびか光る。十八時。
真珠貝のネックレスと、おんなのひとの横顔がかたどられたブローチ。赤いワンピースに、黒いブーツ。おんなのこが、一瞬、空をとぶとき、街のあかりは、ものがなしげにぬれて、屋上から、だれにも届かないかもしれない、ささやかな祈りをくりかえす。
せんせい、あの海には、おおむかしに、きっと、モササウルスがいました。
世の中、だいきらいなものばかりではないけれど、すてきなものがひとつでもおおくうまれたら、うれしいね、といったのは、粒子みたいなからだの、少女。目をこらしてみると、わかる、細やかな粒が無数にあつまってできた、肉体を、少女が撫でると、光の膜ができた。
(だれもしらないうちに、あさと、ひると、よるが、だきあって、とけて、ぐちゃぐちゃになったら、神さまに問いたい、ぼくらの存在価値って?)
十八時の詩